既婚を隠して付き合ってしまった
目次
1. はじめに
交際解消でお悩みの方は、解消を求める側が既婚者であり、不倫関係であることが多いのですが、その中でも、ご自身が既婚者であることを隠して交際してしまったというケースでは、交際解消がより難しくなる傾向にあります。当事者同士での話合いが通常より難しく、こじれてしまいがちです。
お客様ご自身が既婚者であることを秘して交際してしまい、「最近相手に既婚者であることが発覚して、相手が怒り出してしまい冷静な話合いが難しい状態になっている。」もしくは「まだ発覚していないが、交際解消の話合いがスムーズにいっておらず、この先どのように話合いを進めたらよいか迷っている。」というお悩みがございましたら、早めに一度、ご相談ください。
当方では、お客様の代理人弁護士として相手方との直接のやり取りを引き受け、お客様の精神的なご負担も減らす形でお話合いのお手伝いをいたします。
本ページでは、この種の問題の難しさがどこにあるのかといったこと、当方が具体的にどのような形でお手伝いできるかということについてご説明します。
2. こじれる原因
既婚を秘して交際してしまったケースが、通常より交際解消が困難になる傾向にあるのはなぜでしょうか。
相手も不倫であることを承知の上で、交際していたのであれば、相手にも一定の非がありますし、内心では相手もそのことを自覚していることがほとんどです。そのため、別れを切り出した際、一時的に感情が高ぶって、話合いがスタックしたりすることはがありますが、最終的には冷静になっていただけることも多いです。
他方、既婚者であることを隠していたケースですと、相手は交際解消を告げられたショックに、騙されていたという悲しみや口惜しさなども加わり、感情的になりやすいです。
さらに、相手は騙された被害者という認識を持ちますし、実際にそういう立場になりますので、責任をとって妻と離婚して自分と結婚してほしいという要求や、高額な慰謝料請求など現実的ではない要求も出てきやすいです。さらに、口惜しいという思いや腹立たしい思いから、妻に関係をばらす、会社に既婚者であることを秘して付き合っていたことを告げるなど脅迫に該当するような行為にエスカレートし、紛争も激化しやすいです。
致し方のない面はあるのですが、「自分は被害者だから」という思いが少なからずあり、各種行動をエスカレートさせてしまうものと思います。
3. 法的な問題
法的には、既婚者であることを隠して交際し、性的な関係を持つことは、相手の貞操権・人格権を侵害する不法行為に当たりうるものです。既婚を秘して交際した結果、相手から訴訟提起されているケースはいくつもありますし、その結果、慰謝料の支払いを命じる判決が出されている裁判例も存在します。
慰謝料の金額は、ケース・バイ・ケースですが、数十万円~数百万円にもなりますし、訴訟になってしまえば、お客様の配偶者にも知られる可能性が高くなります。
4. 当方の業務内容
まず、ご相談いただきましたら、当方では、ご事情をお伺いし、専門家の立場から見て、法的なリスクなど含めお客様の置かれている状況をご説明させていただきます。そのうえで、状況によっては、今一度ご自身での対応をお勧めする場合もあります。
交際解消の話合いについては、代理人をつける法的義務があるものではありませんし、多くのお客様が円満な解決を望まれるはずです。
そのため、当方では、最初から代理人をつける前提のご説明をするわけではなく、円満な、スムーズな解決のために何が最善かを検討してお伝えするようにしています。
その結果、お客様が望まれた場合には、基本的には、お客様の代理人として介入し、相手からの連絡窓口も当方として、直接の接触をやめていただき、できる限りスムーズにお話合いが進むようお手伝いいたします。
5. まとめ
このように、既婚を秘して交際するということは、相手を深く傷つけるばかりでなく、法的な問題にも発展する可能性がありますし、お客様ご自身の配偶者に対しても大変不誠実な行為となります。決して許されるものではありませんし、まずは、既婚を秘して交際するということ自体をしないこと、今、そのような関係になりかけておられる方は思いとどまることが必要です。
しかし、結果として既婚を秘して長期間にわたり交際してしまい、お悩みのお客様の多くは、本当は良くないことと知りながら、隠したまま時間が経過してしまった、既婚を秘して交際したことを後悔されている状況かと思います。その場合は、お一人では悩まれず一度ご相談ください。
通常はお客様ご自身の後悔や、後ろめたさもあり、話合いの負担は相当なものかと思います。そして、当事者同士での話合いは感情的な対立がより激しくなる傾向にあります。話合いを重ねても、全て責任逃れのようにしか受け取ってもらえず火に油を注ぐだけになってしまい、話がこじれて、深刻な対立状態となってしまうということもあり得ます。また、相手も怒っているだけに見えて、お客様と同じくらい苦しんでいる場合が多いです。
加えて、上記のように法的にも金銭賠償を伴う可能性がありますので、当人同士での解決には限界があります。
多くのお客様は、当方にご相談に来ていただいた段階で、自分の置かれている状況、今後の展開、リスク、今後どう進めたらよいのかという点がはっきりして、気が楽になったとおっしゃってくださいます。
お一人で悩まれている場合には一度ご相談ください。