コラム

不貞相手が夫に対し、別居や離婚に向けた具体的な指示をしたことが、夫婦の婚姻関係を破綻させることにつながった等として、慰謝料250万円を認めた裁判例

 神戸地裁明石支部平成30年10月25日判決をご紹介します。
 妻(原告)が、夫の不貞相手(被告)に対し、慰謝料等を請求した事案です。

 被告、原告の夫に対し、原告との別居や離婚に向けてどのような言動を取るかについて、具体的にこのような言葉を言うように、ということも含めて、具体的に指示をしていたこと、また、夫に対、車を勝手に購入するよう指示したり、不動産や保険の名義を変更するよう指示したり、子どもたちの食費以外は原告に生活費を渡さずに、使ったふりをして貯めるよう指示したりしていました。

 裁判所は「原告と訴外A夫婦以外の第三者である被告が,自分自身の考えに基づいて,原告と訴外A夫婦を離婚させようと考え,それに向けた指示を訴外Aに対して行うということの悪質性は否定されないというべきである。」と述べ、裁判になった後も被告が原告の夫に会いに来たり電話をしていたことなどから、不貞関係が解消したことかどうかについても疑問があるとして、不貞慰謝料としては高額な250万円という金額を認めました。