コラム

裁判例 不貞慰謝料請求

夫が被告以外の女性とも不貞関係にあったケースで、慰謝料を90万円と認定した裁判例

弁護士 幡野真弥

 東京地裁平成27年 9月 8日判決をご紹介します。
 原告が、被告と原告の夫であるAとが不貞関係を持ったとして、被告に対し、不法行為に基づく慰謝料等の支払を求めた事案です。

 裁判所は、
・夫Aの不貞行為によって原告と夫Aが別居状態となり、離婚は成立していないものの離婚調停が行われる状態となっていること
・別居までの原告と夫Aとの婚姻期間は短いものの、両者の間には幼い子供が1人存在すること
・被告が夫Aとの不貞関係を否定し、この点についての原告に対する謝罪等がなされていないこと
・被告と夫Aとの間の不貞関係が認められるのは半月程度にとどまり、また、夫Aは被告以外の女性とも不貞関係にあって、被告と夫Aとの不貞関係が開始された時点において、原告と夫Aとの婚姻関係はすでに相当程度悪化していたことが推認されること
 といった事情から、慰謝料を90万円と認定しました。