コラム

配偶者の不倫に対する対応

配偶者が不倫をしているかもしれない①~考えてほしいこと~

弁護士 小島梓

 夫もしくは妻(配偶者)が不倫をしていることが発覚した時,もしくは不倫をしているかもしれないと思ったとき,最初に思いつくことは何でしょうか?
 配偶者,もしくは配偶者の不倫相手,その両方に対して慰謝料請求を行うことであったり,とりあえず配偶者や不倫相手を問い詰めるという方が多いのではないでしょうか。

 どうしても感情的に動いてしまいがちなのですが,実は,このように「配偶者が不倫をしているかもしれない」と思ったときこそ,ご自身で行動に移す前に冷静に考えていただきたいことがあります。
①不倫の証拠はあるか。
②配偶者との婚姻関係は今後も継続したいか否か。
③配偶者との離婚を考えているとしても,希望する時期はいつか。
といったようなことです。

 もちろん,②③などすぐに結論が出ることではないと思います。特に配偶者の不倫を疑い始めた直後などは,このようなことを冷静に考えて答えを出すことは現実的ではないと思います。

 ただ,当方は,これらの様々な事情を考慮した上で,配偶者の不倫という事実にどう向き合い,どう対応すべきかを検討することで,お客様それぞれにあった適切な対応が見えてくると考えています。
 そのため,答えが出ないまでも,混とんとしたご自身の気持ちを整理するための一つの指針にしていただければと思っている次第です。

 そこで,本コラムでは,まず,配偶者が不倫をしているかもしれないと思ったときに,考えていただきたいこと,さらにはそれぞれの適切な対応とは何かをご紹介していきたいと思います。

 次回は不倫の証拠についてご説明します。