コラム

ストーカー規制法

ストーカー行為規制法⑦手続の流れ

弁護士 長島功

 前回は、ストーキングが行われた場合の「禁止命令」について、どのような場合に、どのような手続を経て出せるのかというお話しをしました。
 今回は、この禁止命令について、違反した場合の効果や、禁止命令の期間についてお話しします。

1 違反の効果
  禁止命令を受けたにもかかわらず、つきまとい等をすれば、禁止命令違反として、刑事罰を受けます。
  具体的には、ストーカー行為等規制法2条1項・2項にあるつきまとい等をすれば、同法20条により、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
  また、禁止命令を受けた後のつきまとい等が、同法2条3項の不安を覚えさせるような方法で行われる「ストーカー行為」に該当する場合や、禁止命令前後のつきまとい等を併せて「ストーカー行為」といえる場合には、より重く2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられます(同法19条)。

2 期間
  禁止命令も一度出されれば、未来永劫、効力が当然に認められるというものではなく、その効力には期間制限があります。同法5条8項では、禁止命令等をした日から起算して1年とされています。
  ただし、この期間経過後も、なお禁止命令等を継続する必要があると認められる場合は、聴聞等の一定の手続は必要ですが、申出や職権にて禁止命令の有効期間を1年間延長することができ、同様にその後の延長も可能としています(同条9項)。